こんにちは、みなさま。
臨床心理士と公認心理師をやっております、『トアルしんりし』と申します。
現在、婚活で出会った会社員の伴侶と発達障害(自閉スペクトラム症と中度知的障害)もちの4歳・娘と3人で暮らしています。
☞このブログでは…トアルしんりしが子育て中に自然に感じること、考えることの内容が、もしかしたら、この世界のどこかで過ごす人にとって〈新たな視点〉となって、何かしらお役に立つこともあるかもしれないと思って運営しております!
前回の記事(バーンアウト(燃え尽き症候群)と子育てについて パート2~燃え尽き症候群の症状や予防法など~)では、『ストレスの対処資源の充実』と『ストレスの対処方略』などをご紹介していきました。
それらの中の身体的健康、自己効力感、ストレスの対処方略等につながる我が家の予防法の一つを、今回はご紹介したく思います。
☞なお、過去記事(パート2)はこちら↓
バーンアウト(燃え尽き症候群)にならないように・・・我が家の予防法をご紹介します!【健康的な退行を使ったストレス発散を紹介♪】
ブログでも過去に、バーンアウト(燃え尽き症候群)については記事を書いてきました。
仕事だけでなく、子育て中にも、バーンアウトを疑う症状が出る瞬間というのは訪れます💦
「なにか予防する手立てはないのか?」
「自分に合う予防法はないかな?」
といった方には、少しばかり参考になる情報を提供できるかなとも思います😃
バーンアウト(燃え尽き症候群)について振り返り👇
同志社大学教授の久保さん(2007)によると、このように表現されています↓
今まで普通に仕事をしていた人が, 急に, あたかも「燃え尽きたように」 意欲を失い, 休職, ついには離職してしまう例が多数報告されている。(略)
しかし, それ以前は, 精力的に仕事をこなし, まわりの人たちからも一目置かれる存在であった場合も多く, その前後の落差が大きいだけに, 同僚や上司も, まさに 「燃え尽きた」 としか言いようもなく, ただ驚くばかりである。
~特集 仕事の中の幸福 バーンアウト (燃え尽き症候群) ヒューマンサービス職のストレス 久保 真人より一部抜粋にて引用~
燃え尽き症候群の症状の3つの症状~「情緒的消耗感」「脱人格化」「個人的達成感の低下」~の定義(Maslach,Jackson&Leiter,1996)を簡単にまとめるとこんな感じです👇
- 「情緒的消耗感」:仕事を通じて、情緒的に力を出し尽くし、消耗してしまった状態
- 「脱人格化」:クライエントに対する無情で、非人間的な対応
- 「個人的達成感の低下」:ニューマンサービスの職務に関わる有能感、達成感
☞久保さんの書いた特集で詳細を確認したい方はこちらより読めます!
☞久保さんの著作について一部ご紹介させていただきます👇
『バーンアウトの心理学 燃え尽き症候群とは』 セレクション社会心理学 久保真人
身体的健康、自己効力感、ストレスの対処方略等の振り返り👇
詳細は過去記事のこちらに載っているので、気になった方は是非ともチェックしてみてください!
☞こちらでは、簡単にふりかえっていきますね↓
- 身体的健康
- 健康を維持するためには、正しい生活習慣を身につけることが第一である。(略)まずは自分の生活習慣を見なおし、分析・評価をしてみてほしい。〔看護学生のための心理学第2版 長田久雄(編) より一部抜粋にて引用〕
- 自己効力感
- 自己効力感の規定因として①実際にやってみること、②他人に教わること、③じょうずにできたモデルの行動を観察すること、④ドキドキしなくなること、という4つの要因があげられている。〔看護学生のための心理学第2版 長田久雄(編) より一部抜粋にて引用〕
- ストレスの対処方略
- 問題を一時棚上げして気分転換をはかったり、他者のサポートを求めたりして、気持ちが落ち着いてから再度問題に取り組めば、今度は問題解決を行える可能性がある。(略)問題を心のなかに押し込めつづけるためには、さらに心的努力を要し、こうした状況が長期間にわたることによって極度の心身の疲労状態となる。〔看護学生のための心理学第2版 長田久雄(編) より一部抜粋にて引用〕
我が家の予防法をご紹介!【健康的な退行を使ったストレス発散法】
我が家では、身体的健康を維持することを重要としているため、家族メンバーにこんな不調が見られた場合は予防法を実施することにしています。
☞ちなみに、『不調』とは我が家の場合はこんな不調です👇
✅寝ても寝足りない
✅朝、スッキリ起きれない
✅体が怠い
✅頭痛が頻発
✅体の特定の部位が傷む(これは主に私と伴侶)
✅食欲低下
✅気持ちの切り替えがいつもより上手く行かない
✅ケアレスミスが多い
など・・・他にもあるかと思いますが、「ん?」と思うことがあれば、それは心の不調・SOSのサインかもしれない、と受け取るようにしています。
☞予防法として、ケース・バイ・ケースでより適切なものを選んで実施するのですが、以下にご紹介するのは【健康的な退行】というものです👇
フロイトが退行の概念を提唱した時に(略)退行は精神疾患に繋がりかねないとして病的なものとみなしていました。
しかし、その後の精神分析における主流の学派の一つである自我心理学は退行には健康的なものもあるとしています。
健康的な退行の条件は次の通りです。
- 一時的な退行である。
- 部分的な退行である。
- 退行が自我※にとって有益である。
例えば、芸術家などは常人とはかけ離れたアイデアや感性によって素晴らしい作品を作り上げていますが、その多くは現実とかけ離れた美しい世界を表現しています。(略)
健康的な退行は一時的かつ部分的に自我が退行しているわけではないので、必要に応じて現実に戻ることが可能であり、自我が日頃行っている防衛や現実検討などの重荷から解放されお休みすることができるので自我の回復につながるとされています。
※精神分析では、自我は「自分とはこういう人間です」というこころの範囲を意味
~Psycho Psycho 退行とは?精神分析における意味や具体例、防衛機制との関連を解説より一部抜粋にて引用~
退行現象というと、”赤ちゃん返り”というのをイメージしやすいかと思いますが・・・必ずしも悪いことばかりではなく、退行方法も個人により様々です。
☞我が家の場合の健康的な退行方法(一例ですが)をご紹介します👇
- サブスクで動画や音楽を視聴
- 漫画を読む
- 車でドライブ
- (目的地も決めずに)サイクリング
- (目的も決めずに)散歩
- ウインドーショッピング
- 料理(おやつ作り含む)
- (その時食べたいと思った)美味しいものをデリバリーして食べる
- (友人・知人などと)おしゃべり
- パズル
- シュレッダー作業
- ファイル整理
- 整理整頓グッズ作成
- (これは家族の中で私だけかと思いますが💦)ブログ・イラスト・小説のストーリー考案など
☞退行について学べる本として、こちらのサイトでも紹介されていた本です👇
👆『精神分析的人格構造の基礎改訂 心理療法を始める前に』 岩崎学術出版社 馬場禮子(著)
👆『新装版 治療論からみた退行 基底欠損の精神分析』 金剛出版 M・バリント(著)中井久夫(訳)
ちなみに・・・
休日に予定を2つ以上入れている時に、心身の不調を感じた場合は、以下のことを心がけています。
✅まずは予定をそれ以上増やさない
✅その日の予定をこなすのが自身にはキャパオーバーであると判断した場合、キャンセルも念頭にいれる
✅キャンセルした予定に関しては、そのことに対して落ち込んだり、自分を責めることはせずに目の前のストレス発散に集中する
まとめ
今回は、前回の記事(バーンアウト(燃え尽き症候群)と子育てについて パート2~燃え尽き症候群の症状や予防法など~)でとりあげた『ストレスの対処資源の充実』と『ストレスの対処方略』から、身体的健康、自己効力感、ストレスの対処方略等につながる我が家の予防法の一つ【健康的な退行方法】をご紹介いたしました。
健康的な退行方法は個人個人その人に合うスタイルが存在しますので、今回ご紹介した方法はあくまでその一例として参考程度に見ていただけると幸いです。
健康的な退行以外の退行も含め、いつかフロイトや精神分析などもご紹介出来たらなぁと考えています。
100年も前に言われた理論・技法などが、現在の世にも活かせる・・・大切で本質的なものは、昔から沢山の人たちが考えてきた話題だったのだなぁと、とても感慨深いですね。
- 同じ子育て時間、折角過ごすならストレスレスでいたい!
- 子育てを通して、親である自分も成長できたらなと思う
- なかなか解決できない問題って子育てにはあるよね?
- みんなはどうやってストレス発散してるの?
- みんなは自分と同じことで悩んだりするのだろうか?
などなど・・・
☞障害の有無関係なく、ひとりひとり個性をもった子ども達を育てている親御さんにとって、『毎日大変だけど…子育てって、楽しいこともあったりするな』、『私たち頑張ってるよね~』、と思える体験をこのブログを読むことで、少しでもよいのでしてもらえたら嬉しいですね***
ではでは、またお会いしましょう〜!
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