こんにちは、みなさま。
臨床心理士と公認心理師をやっております、『トアルしんりし』と申します。
現在、婚活で出会った会社員の伴侶と発達障害(自閉スペクトラム症と中度知的障害)もちの4歳・娘と3人で暮らしています。
☞このブログでは…トアルしんりしが子育て中に自然に感じること、考えることの内容が、もしかしたら、この世界のどこかで過ごす人にとって〈新たな視点〉となって、何かしらお役に立つこともあるかもしれないと思って運営しております!
今回は、バーンアウト(燃え尽き症候群)と子育てについて、私自身の障害児育児より考えたことをご紹介したいと思います。
今年ももう気づくと、あと2ヵ月!疲れも出やすい時期でもありますので・・・ここで一旦、自身の心身の見直しをしていかねば、と思った次第です。
バーンアウト(燃え尽き症候群)とは?
最初にバーンアウトを定義しているにはフロイデンバーガー(Freudenberge)です。以下に引用したものを載せますね。
持続的な職業性ストレスに起因する衰弱状態により、意欲喪失と情緒荒廃、疾病に対する抵抗力の低下、対人関係の親密さ減弱、人生に対する慢性的不満と悲観、職務上能率低下と職務怠慢をもたらす症候群
〜Wikipediaより一部抜粋にて引用〜
☞他にも、このような特徴がバーンアウトにはあります↓
主に、対人サービス従事者が一定の生き方や関心に対して献身的に努力したにもかかわらず、期待した結果が得られなかった場合により感じる徒労感や欲求不満、および、努力の結果、目標を達成したあとに生じる虚脱感などを指す。
〜Wikipediaより一部抜粋にて引用〜
ふむふむ・・・あれ?あれ??
なんだか、仕事のことにフォーカスして書かれていますが・・・
この特徴って、子育てにも当てはまりません???
マスラック・バーンアウト・インベントリー (MBI)について
実証的なバーンアウト研究の中で、マスラック(Maslach )を中心とした研究グループがマスラック・バーンアウト・インベントリー (Maslach Burnout Inventory:以下 MBI)を開発しました。
バーンアウトを以下の3つの症状から定義しています。
- 情緒的消耗感 (emotional exhaustion)
- 脱人格化 (depersonalization)
- 個人的達成感 (personal accomplishment)の低下
ちなみに、それぞれどういったものかというと・・・詳細に説明されている記事より引用しますね↓
最新版の MBI マニュアル (Maslach, Jackson &Leiter, 1996) によれば,情緒的消耗感とは 「仕事を通じて, 情緒的に力を出し尽くし, 消耗してしまった状態」 と定義されている。
脱人格化とは 「クライエントに対する無情で, 非人間的な対応」 と定義されている。
個人的達成感とは 「ヒューマンサービスの職務に関わる有能感, 達成感」 と定義されている。
(略)つまり, バーンアウトとは, 仕事の上で日々過大な情緒的資源を要求された結果生じる情緒的消耗感であり, 他の 2 つの下位尺度はこの 「枯渇状態」 の副次的な結果であるとする見解である。
~特集 仕事の中の幸福 バーンアウト (燃え尽き症候群) ヒューマンサービス職のストレス 久保 真人より一部抜粋にて引用~
日本版バーンアウト尺度について。どんな項目があるのか?
日本版バーンアウト尺度というものがあります。
☞久保がその後の研究 (久保, 1998;久保, 1999 など) の中で項目の追加・ 削除など、17項目にまとめられたものです(久保, 2004)。以下に、その尺度を参照(一部改変)したものをご紹介しますね。
1 | こんな仕事、もうやめたいと思うことがある。 | 情緒的消耗感 |
2 | われを忘れるほど仕事に熱中することがある。 | 個人的達成感 (逆転項目) |
3 | こまごまと気くばりすることが面倒に感じることがある。 | 脱人格化 |
4 | この仕事は私の性分に合っていると思うことがある。 | 個人的達成感 (逆転項目) |
5 | 同僚や患者の顔を見るのも嫌になることがある。 | 脱人格化 |
6 | 自分の仕事がつまらなく思えてしかたのないことがある。 | 脱人格化 |
7 | 1 日の仕事が終わると 「やっと終わった」 と感じることがある。 | 情緒的消耗感 |
8 | 出勤前, 職場に出るのが嫌になって, 家にいたいと思うことがある。 | 情緒的消耗感 |
9 | 仕事を終えて, 今日は気持ちのよい日だったと思うことがある。 | 個人的達成感 (逆転項目) |
10 | 同僚や患者と, 何も話したくなくなることがある。 | 脱人格化 |
11 | 仕事の結果はどうでもよいと思うことがある。 | 脱人格化 |
12 | 仕事のために心にゆとりがなくなったと感じることがある。 | 情緒的消耗感 |
13 | 今の仕事に, 心から喜びを感じることがある。 | 個人的達成感 (逆転項目) |
14 | 今の仕事は, 私にとってあまり意味がないと思うことがある。 | 脱人格化 |
15 | 仕事が楽しくて, 知らないうちに時間がすぎることがある。 | 個人的達成感 (逆転項目) |
16 | 体も気持ちも疲れはてたと思うことがある。 | 情緒的消耗感 |
17 | われながら, 仕事をうまくやり終えたと思うことがある。 | 個人的達成感 (逆転項目) |
☞ちなみに、17項目をもとに作成したバーンアウト尺度がありましたので、参考までに載せておきますね。
入力をしていき結果を表示すると、3つの尺度のそれぞれの評価が出てくるので、自身の仕事の向き合い方について考えるヒントをくれるかもしれませんね。
子育てについて考える
ここまで、バーンアウト(燃え尽き症候群)について簡単に紹介をしてきましたが・・・
対人サービス従事者がなりやすいということでしたが、私自身、仕事をしながら子育てをしていて、時にこう思うことがあります。
子育てでも、『バーンアウト(燃え尽き症候群)』って起こりやすいのでは?
☞というのも、私自身が娘を育てながら仕事をしている生活の送っているため、特にそう感じやすいのかもしれませんが・・・以下に考えたことをもう少し詳しく書きますね。
障害児育児の経験から私が考えたこと
現在、私は4歳の娘を保育園に預けて、フリーランスの専門職として働いています。
伴侶はフルタイムの会社員のため、保育園への娘の送迎は基本的に私の役目となっています。
☞今はもう慣れてしまっているのと、幼稚園時代に比べると、周囲のサポートの圧倒的な違いもあるため、日々の送迎は苦ではなくなっています👍
☞☞しかし、そんな日々の中でも、気候変動やいくつかの仕事が重なってしまって多忙になってくると、体調不良になってしまうこともあり・・・そんな時は、よく『誰か代わりに送迎やってくれたらなぁ~助かるな~』『私が倒れたら、娘は楽しみにしている保育園をお休みになってしまう💦』と、グルグルと考えては悲観している自分がいます。
子育てをしているご家庭だとあるのかな?と思われるケースの一つとして、「ワンオペ子育てで大変」というものがあったりしますよね。我が家も平日は基本、ワンオペです***
「夫が帰ってくるのが遅いから寝かしつけをやらないとなので大変だけど、寝てから夫が帰ってくると子どもが物音で起きてしまったりして・・・早く帰ってきてもらうのもケースバイケース?」
↑
よくママ友と話をしていたりすると、こういった話題が出たりします。
☞我が家の場合は、少し特殊な事情も入ります。寝かしつけても結局、睡眠障害なのかすぐには寝ないので、伴侶が帰宅する深夜まで私が仕事をやりながら娘のお相手をしていたりします。
保育園から自宅に帰ってから、洗濯をしながら食事の用意をして、食事をしてからお風呂に入り、その後は寝かしつけを試みながらも、なかなか寝ない娘と過ごしながら、明日の保育園の用意や連絡ノート記載を在宅での仕事をしながら行う・・・
そんな慌ただしくしている中で、娘が急に癇癪を起したり、注意を促していたことを破って物をこぼす・壊すなどの行為をしたりしているのを目にすると、なんだか時々無性に感情が『無』に近い感じになることがあります。
な~んで私、こんなに頑張っているのかしら?
誰に褒められているわけでもないのにね・・・
☞といった感じのことや、その他いろいろと考えている自分がいるのです。
自分で言うのも恐縮ですが、『頑張りすぎじゃない?もっと肩の力抜こうよ』状態なのでしょうね。
バーンアウト(燃え尽き症候群)に近しい状態は、今のご時世、子育て世帯には特に多い現象なのではないのかな?と思った次第です。
まとめ
今回は、バーンアウト(燃え尽き症候群)と子育てについて、私自身の障害児育児より考えたことをご紹介していきました。
☞もう少し深堀りした情報(例えば、燃え尽き症候群の症状や予防法など)もご紹介できるのでは?ということを書いていて感じましたので、またの機会に記事としてまとめたいと思います。
兎にも角にも、こころのSOSサインをキャッチした際は、燃え尽きる前に対処できるのが理想!、と考えてもらえたらなと。
☞ある日ふと気づいたらなんだか疲れているから、そんな頑張ってきた自分を今は労わる時間をあえて作る必要があるんだ、と自然に考えられる人たちが増えてくれると嬉しいなぁと思います。
- みんなは自分と同じことで悩んだりするのだろうか?
- 同じ子育て時間、折角過ごすならストレスレスでいたい!
- 子育てを通して、親である自分も成長できたらなと思う
- なかなか解決できない問題って子育てにはあるよね?
などなど・・・
☞障害の有無関係なく、ひとりひとり個性をもった子ども達を育てている親御さんにとって、『毎日大変だけど…子育てって、楽しいこともあったりするな』、『私たち頑張ってるよね~』、と思える体験をこのブログを読むことで、少しでもよいのでしてもらえたら嬉しいですね***
ではでは、またお会いしましょう~!
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