こんにちは、みなさま。
臨床心理士と公認心理師をやっております、『トアルしんりし』と申します。
現在、婚活で出会った会社員の伴侶と発達障害(自閉スペクトラム症と中度知的障害)もちの4歳・娘と3人で暮らしています。
☞このブログでは…トアルしんりしが子育て中に自然に感じること、考えることの内容が、もしかしたら、この世界のどこかで過ごす人にとって〈新たな視点〉となって、何かしらお役に立つこともあるかもしれないと思って運営しております!
以前、東京都福祉保健局サイトに掲載されている、『発達障害者支援ハンドブック2020』のアセスメント部分+αについてご紹介いたしました。
こちらの過去記事ですね↓
今回は、そのハンドブックの支援事例集の一部と就学支援シートについて、ご紹介したいと思います。
支援事例集について
具体的な支援事例に関して、ハンドブックの第3章には書かれています。
事例作成に際して、いくつかの団体が協力しているということもあり、内容も実に実践的だなぁと感じました。
事例としては、こんな感じのものが取り上げられています(タイトル記載)↓
- 【就学前】保育園から療育へのスムーズな橋渡し
- 【就学前から学齢期】保育所での支援を小学校へつなげる(就学支援シートの活用)
- 【学齢期】学校での支援の実践~発達的視点、心理的視点の両面から~
- 【学齢期】脳外傷により高次脳機能障害となった方の支援
- 【大学】学生支援室が中心となった発達障害のある大学生の就労支援
- 【成人期】一般就職から障害者雇用に移行するための支援
- 【成人期】近隣からの連絡で支援につながり、就労を目指す男性への支援
- 【成人期】親との関係が悪化し、親元を離れひとり暮らしで自立をめざす方の支援
- 【入口支援】孤立し犯罪に追い込まれた人の更生支援
☞詳細が気になった方は、東京都福祉保健局サイトからハンドブックのデータをダウンロードして、是非とも中身を確認してみてください♪
こちらでは、就学支援シートの活用を掲載している【就学前から学齢期】の事例の一部をピックアップしたい思います。
[保育所での支援を小学校へつなげる]の事例について(一部紹介)
この事例では、1歳より保育園に通う5歳の男の子が出てきます。
乳幼児健診では発育・発達に関しては特に指摘されず、保育園ではマイペースに過ごしていたようです。
☞年少クラスになると、以下の問題が出てきたようです↓
運動会のダンスや発表会の練習には気が向いた時しか参加せず、注意されると保育室から出て行ってしまいました。些細なことで癇癪を起こし激しく泣き続けます。
この頃からお友達と喧嘩をすることが増え、お友達に暴力を振るうこともありました。
~発達障害者支援ハンドブック2020【就学前から学齢期】保育所での支援を小学校へつなげる(就学支援シートの活用)より一部抜粋にて引用~
☞この記載を見た時、娘が2歳~3歳頃だった頃を思い出しました。
話が少し脱線しますが・・・娘が幼稚園に通っていた時(3歳)、日中はこんな感じだったそうです↓
- 登園後、朝のあいさつの時にうろうろして着席しない
- 気づくと一人で遊んでおり、他の子と一緒に何かをすることが少ない
- みんなで何かをする時に、気分でないとやりたくないのか教室を脱走する
- 先生が「これ、やろうね」と促すと、癇癪を起こして激しく泣く
- クラスの子の給食のおかず(娘の大好物)を食べてしまう
など・・・
☞☞事例の子の様子と重なる部分が多いな~なんて思いました。そして、こんなことも考えました。
この事例では、どんな支援をしていくのか・・・
実に気になるなぁ~我が家の場合(経験)と照らして、良い点は取り入れたい!
☞ちなみに、事例の中では、こんな支援体制をとったようです。
保育園では保育士1名が必ず側にいて、他児とのトラブルを回避するよう見守り、介入しました。
園医(=かかりつけ医)で5歳児健診を実施しました。
入学半年前の10月に就学支援シートの作成をし、2月に提出しました。
小学校では、支援シートに基づき、入学後の指導を丁寧に行いました。
~発達障害者支援ハンドブック2020【就学前から学齢期】保育所での支援を小学校へつなげる(就学支援シートの活用)より一部抜粋にて引用~
支援事例集には、具体的な経過と支援における課題(発達特性の確認、自尊感情の低下、「就学支援シート」の作成などの側面)やその後の経過が書かれていますので、気になった方はハンドブックで内容を確認してみてくださいね。
就学支援シートとは?
支援事例の中でも小学校入学のため、就学支援シートを作成したという件があるのですが・・・この『就学支援シート』とは一体、どのようなものなのでしょうか?
私もはじめ、どんなシートなのだろうか?と思い、自身の自治体の書式を探したのですが、どうやら『サポートブック』にあたるものみたいです。
☞就学支援シートとは、こういったもののことをいうそうです↓
就学支援シートとは、生活支援や集団活動時に個別の配慮が必要な子供の小学校生活がスムーズにスタートできるよう、保護者が学校に知っておいてほしいことなどを入学前に記入し提出するものです。
保護者からの依頼により保育園や幼稚園、療育センターなどが記載する場合もあります。
就学支援シートは区市町村毎に書式が定められ、記入の仕方も自由記載の様式もあれば、いくつかの質問について点数化して記録する様式もあります。
就学支援シートの提出は、教員の加配や特別支援教育を決定するものではありません。
~発達障害者支援ハンドブック2020【就学前から学齢期】保育所での支援を小学校へつなげる(就学支援シートの活用)より一部抜粋にて引用~
就学支援シートの書式とは?作成手順って?
どんな書式のものなのか?見本はあったりするのかしら??
☞ハンドブックの支援事例集の中でも、この就学支援シートの例が載っています。
他にも、東京都の自治体でシートの書式と作成手順を掲載しているサイトもありますので、参考にされたい方はチェックしていただくのもオススメです!
☆例えば、こちら(東京都東村山市のサイト)に書式と作成手順が載っていました。
☞☞作成手順としては、このようになるみたいです(東村山市サイトを参考に表作成をしています。詳しく知りたい場合は、ご自身の自治体に確認をおススメします!)
<手順>と【時期】 | 内容 |
<就学支援シートの配布> 【9月中旬】 | 就学時健康診断の案内に同封して保護者全員に配布。 就学時健康診断の会場には子ども・教育支援課の職員が存在。 不明な点は、お問い合わせを。 |
<就学支援シートの作成> 【保護者10月から】 | 希望する保護者は、保護者記入欄にご記入いただいたのち、 幼稚園・保育所や療育機関等の就学前機関に就学支援シートを提出。 提出に際しては、就学前機関の先生に相談を。 |
<就学支援シートの作成> 【就学前機関10月から12月】 | 就学前機関の先生は、これまでの指導内容や支援及び配慮点などを記入し、 保護者に確認の上、教育委員会子ども・教育支援課に提出。 |
<就学支援シートの引継ぎ> 【1月から】 | 教育委員会子ども・教育支援課より学校へ就学支援シートを引継ぎ。 学校は、必要に応じて保護者面談や幼稚園・保育所とのヒアリングを行う。 学校へのシートの引継ぎは1月中旬頃からを予定。 |
サポートブックについて
ここでは、サポートブックについての説明をいたします。
「サポートブック」は、お子様の個性や特徴に応じた一貫した支援を続ける仕組みの一つです。
これはいわばカルテのようなもので、「サポートファイル」「子育てファイル」「相互支援手帳」などの名称もあります。(略)
お子様の特性、配慮すべきこと、自分でできることや支援が必要なことなどを、保護者が整理して記入できるノートのような形式です。(略)
冊子形式、リングファイル形式、あるいはオンライン上のデータ管理など、サポートブックの形式は様々ですが、発達や発育を総合的にとらえやすく、継続的な支援の可能性を広げるための項目となっています。
~四谷学院発達支援進級・進学時にも!都道府県「サポートブック」テンプレートまとめより一部抜粋にて引用~
☞こちらのサイトを参照していただくと、都道府県の『サポートブック』のテンプレート(書式)が確認できます↓
☞☞試しに、我が家の住んでいる自治体のサポートブックの書式を探してみたところ、サポートファイルや就学支援シートとも違う呼び名でしたが、確かに子どもの特性・配慮すべきこと・自分でできることや支援が必要なことなどを整理したノートのような形でした。
障害児育児をする親として考えること~専門職の視点も交えながら~
現在、発達障害を持つ娘を育てながら考えることの一つに、『(転勤などで)場所(学校や住む地域)がかわっても、娘への支援が途切れないように、親として出来る限りのことはやりたい』、というものがあります。
この考え方の根底には、『何故、新しい環境に入学したら、これまでの支援の形がブツっとキレそうになるのだろうか?』と、娘を産む前に働いていた学校現場や医療現場で、私自身が感じていた疑問が大きく影響しているのかもしれません。
例えば、小学校で困っているお子さんの幼稚園・保育園時代の情報が、小学校にうまく共有されていない状態が存在していたり…
小学校のお子さんの様子や発達上の特性などがスムーズに引き継がれていないような印象を受けるなど…
関係機関がかわるたびに、自身が頼れる支援の形が大きく形を変えることが、いかに当事者のお子さんやそのご家族にとって『心配』『不安』の種になるかを、支援する側として関わる時は、常に意識して動いていました。
今回ご紹介したような、就学支援シートといったようなツールがある事で、少しでも支援の輪を切らさないでほしいな、と思うばかりです。
まとめ
今回は、発達障害者支援ハンドブックの支援事例集の一部と就学支援シートについて、ご紹介しました。
就学支援シートを使用する事で、保育園から小学校への情報の橋渡しが可能となりやすい事、その作成手順などを知る事で、保護者側も子どもの支援の形について安心感を少し感じられたのではないでしょうか?
少なからず私は、今後の娘の見通しを立てやすくなったため、嬉しさを感じました。
ハンドブックには他にも様々な支援事例が掲載されているため、気になった方には是非とも目に留めていただけたら幸いです。
支援する側・される側の両者がこのハンドブックの存在を知ったら、より適切な支援が可能となるのかなぁ、なんて…個人的には肯定的に捉えていました。
- 同じ子育て時間、折角過ごすならストレスレスでいたい!
- 子育てを通して、親である自分も成長できたらなと思う
- なかなか解決できない問題って子育てにはあるよね?
- みんなはどうやってストレス発散してるの?
- みんなは自分と同じことで悩んだりするのだろうか?
などなど…
☞障害の有無関係なく、ひとりひとり個性をもった子ども達を育てている親御さんにとって、『毎日大変だけど…子育てって、楽しいこともあったりするな』、『私たち頑張ってるよね~』、と思える体験をこのブログを読むことで、少しでもよいのでしてもらえたら嬉しいですね***
ではでは、またお会いしましょう〜!
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