こんにちは、みなさま。
臨床心理士と公認心理師をやっております、『トアルしんりし』と申します。
現在、婚活で出会った会社員の伴侶と発達障害(自閉スペクトラム症と中度知的障害)もちの5歳・娘と3人で暮らしています。
☞このブログでは…トアルしんりしが子育て中に自然に感じること、考えることの内容が、もしかしたら、この世界のどこかで過ごす人にとって〈新たな視点〉となって、何かしらお役に立つこともあるかもしれないと思って運営しております!
【あなたは優位な立場かも?】専門家の記事をご紹介!&日本育ちの心理職であるトアルの思うところも少しお伝えしたいと思います👍
今回、ご紹介したいのはコチラになります👇
👆あなたは優位な立場かもしれない 気づきにくい“特権”とは/NHK NHK福祉情報サイトハートネット
最近、セクシャルマイノリティの研修を受けたのもあり、改めて自分自身の特権というものについて気づき、深く考える機会をいただけた気がします。
記事内容は、とても興味深いものになるかなぁ…と思いますので、気になった方は是非とも引用元サイトもチェックしてみてください🌸🌸
記事内容をこちらで少しご紹介したく思います👇
まず、INDEXとしては以下の通りです📋
- 自己点検! “特権”に向き合ってみる
- 自動ドアが開くのは、当たり前?
- 自覚はしたけれど・・・ 取材者として迷います
- “特権”がある人には、責任がある
冒頭文では、このような内容が示されています👇
進学、引っ越し、買い物、就職、昇級・・・暮らしのさまざまな場面で「自分はなにごともなく実現できたのに、ほかの人は苦労していた」ことがありますか。それは、個人の努力の問題ではなく、国籍や性別など、社会のマジョリティー側の属性をもつためかもしれません。
差別の心理を研究する出口真紀子さんは、そうした「労なくして得られる優位性」のことを“特権”と呼んでいます。“特権”は、持っている本人は自覚しづらく、差別につながることも。
自分の“特権”ってなんだろう?気づいたその先はどうすれば?「ハートネットTV」キャスターの中野淳アナウンサーが、出口さんに、常々感じてきたモヤモヤをぶつけました。
本文内容の紹介をする前に、出口さんと中野アナウンサーの簡単なご紹介をいたしますね。
出口さんと中野アナウンサーの2人のプロフィールをこちらでご紹介📝
☞出口さんの書籍も以下に掲載いたしますね👇
<真のダイバーシティをめざして―特権に無自覚なマジョリティのための社会的公正教育>
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自己点検! “特権”に向き合ってみる より🔍
中野アナ:出口さんは、“特権”について研究されていますね。“特権”とはどんな概念ですか。
出口さん:私の定義は、アメリカのいわゆる社会公正教育(social justice education)の文脈での“特権”(privilege)で、「マジョリティー側の属性を持っていることで、労なくして得ることができる優位性」というものです。(略)
自分の努力ではなく、たまたまマジョリティー性を持った側に属していることで、下駄を履かされていることはないでしょうかという視点です。
~あなたは優位な立場かもしれない 気づきにくい“特権”とはより一部抜粋にて引用~
記事内では「労なくして得ることができる優位性」について、具体的には何を指すのかを出口さんは、中野アナウンサーに、人種・性・学歴など8つの項目を例示しています。
中野アナウンサーに実施してもらった記事内の結果を再度、表作成したものを以下に載せています。
アイデンティティー マジョリティー マイノリティー 人種 日本人 外国人、在日韓国・朝鮮人アイヌなど 出生時にわりあてられた性 男性 女性、他 性的指向 ヘテロセクシュアル レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、アセクシュアルなど 性自認 シスジェンダー
(身体と性自認が一致)トランスジェンダー、エックスジェンダーなど 学歴 高学歴 低学歴 社会的階級 高所得 低所得 身体・精神 健康 病気、障害をかかえる 住居地域 大都市圏在住 地方在住 自己点検! “特権”に向き合ってみる より結果をもとに再度表作成しています ひとつずつチェックしてみると、中野アナウンサーは、すべての項目でマジョリティー側にあてはまりました。“特権”を多く有しているということになります。(略)
出口さん:複雑な気持ちですか。
中野アナ:そうですね・・・こうしてみると、子どもの時からなにも気にせずにスーッと階段を上がってこられた部分があっただろうな。それに、これ以外にもいっぱいあるんじゃないかなと思いました。結婚しているとか子どもがいるとか、親が健在でふたりいるとか。(略)僕はおそらく、立場上アナウンサーということで、発言力がある。もうすぐ四十歳になりますけど、中堅以上になってきたことも関係あるでしょうか。
出口さん:そうですね、社会的・地位的な特権になりますね。
~あなたは優位な立場かもしれない 気づきにくい“特権”とはより一部抜粋にて引用~
自動ドアが開くのは、当たり前? より🔍
自らに“特権”が多くあることを認識した中野アナウンサーに対し、出口さんはもうひとつリストを紹介しました。それは、アメリカで白人のマジョリティー性について論じたペギー・マッキントッシュの論文『白人特権―みえないナップサックをあけてみる』で紹介された、「白人特権」の一部です。
□引っ越す場合、自分に手が届き、住みたいと思う地域に、住宅を借りたり買ったりできます。
□ほとんどの場合、ひとりで買い物に行くことができ、後を追いかけてこられたり嫌がらせされたりはしないと思えます。
□TVをつけたり新聞の一面を見たりすると、私と同じ人種の人が大々的に出ています。
□自分の人種のすべての人々を代表して話すようにと言われることは決してありません。
□警察官に呼び止められたり、国税庁に納税申告書を監査されたりするとき、それは自分の人種のせいではないかと感じることはありません。
□私は、自分の人種が描かれたポスターやハガキ、絵本、グリーティングカード、人形、おもちゃ、子ども向け雑誌を簡単に買うことができます。
(『白人特権―みえないナップサックを開けてみる』(ペギー・マッキントッシュ、1987)より抜粋)
これらの条件は、アメリカ社会の人種問題を前提に作られたもの。すべてが日本社会でいえることではありませんが、仮にあてはめてみたとき、中野アナウンサーはここでもすべて“特権”を持つ条件を満たしていました。
中野アナ:さっきのチェックで自分が“特権のフル装備”だという印象を持って、分かった気になっていましたが、この具体的なリストで見ると、「こういう場面でそうなのか」「やっぱり気づいてなかったな」とはっとしました。(略)
出口さん:そうなんです。“特権”は、自分ではなかなか気づけないものなんです。(略)
出口さんは、その「みえにくさ」から、“特権”を「自動ドア」にたとえています。(略)
「マジョリティー性の高い人は、マイノリティー性の高い人のことを知らなくても生きていける。つまり、マジョリティー性が高ければ高いほど、社会の仕組みは意外とみえていないかもしれません。そのことを一度受け止めることが大切だと思っています」(略)
そして、自動ドアがあることに気づいたら、そのしくみにも目を向けてほしいといいます。(略)
「自動ドアには、開閉をコントロールしているセンサーがあります。マジョリティーの属性のある人には開いて、マイノリティーの特性のある人には開かない、そういう社会構造になっている。その不公正・不平等なセンサーっていうのは何なのか、ここを可視化していくことも必要です」
~あなたは優位な立場かもしれない 気づきにくい“特権”とはより一部抜粋にて引用~
自覚はしたけれど・・・ 取材者として迷います より🔍
中野アナ:私たちは福祉番組で障害や病気のある人を取材する上で、自分たちの方が“特権”を持っている状況というのがすごく多い。取材の関係性の中で、もしかしたら相手を傷つけたり抑圧したりしていないかという不安をいつも感じています。“特権”を自覚した後、どうやってよりよい関係性や発信につなげていけばいいのでしょうか。
出口さん:“特権”を自覚し、マイノリティーのために活動したり始めた段階の人は、ふんばりどきです。行動する上で何が正しいかもわかっていないし、「いい人」と見られたいがゆえにマイノリティーから褒められたり感謝されたりすることが目的になるケースもあります。すごく揺らいでいる段階です。
だから私はその段階の人には、「独りでそこにいないでください」と伝えています。同じような段階にいる人と連帯して、本音で語り合える仲間をつくることが大切です。ここは、集団でないと乗り切れないと言われています。出口さんのアドバイスは、差別に触れたときのマジョリティーの心理は6段階で推移するという、アメリカの心理学者・ヘルムズの「白人の人種的アイデンティティ発達理論」に基づいています。
これは、アメリカで圧倒的特権をもつ白人が、みずからの特権に向き合うことで、マイノリティーに対してどう変わっていくかを示したものです。(略)中野アナ:こんな風に(段階として)考えたことがなかったです。「0か100か」じゃないですけど、マイノリティーについて勉強しているかいないか、差別的かそうでないか、くらいで捉えていました。
出口さん:そうなんですよね。つい「差別する人は悪い人」と考えがちですが、みんな最初は無自覚だったんですよ。だから、そういう段階にある人に対してもネガティブにならないような心理的安全性を確保して、みんないろんな段階にいるけどお互いそれをオープンにして学び合っていこうとすることが大切です。
具体的には、勉強会や読書会などの場をつくることが効果的だといわれています。(略)
出口さんによると、どの段階にいる人も自分自身が持つ「限界ある想像力」でしか相手のことを考えることはできません。しかし学びを深めていけば、想像力は広がり、相手にかける言葉や接する態度も変わっていけるといいます。
~あなたは優位な立場かもしれない 気づきにくい“特権”とはより一部抜粋にて引用~
出口さんが記事内で述べている、差別に触れたときのマジョリティーの心理は6段階で推移するという内容を以下に箇条書きですが、書き出してみました👇
マジョリティーは最初「①“特権”に無自覚な段階」→「②罪悪感を抱く段階」や「③周囲のプレッシャーに負けてマイノリティーを避ける段階」→「④マイノリティーのことを知ろうと、一歩を踏み出す段階」へ進む(④の段階は、まだ確固とした信念があるわけではなく、迷いや不安から、前の段階に戻ってしまうことも)。
「⑤自身を見つめ直し、現状を知ることに没頭する」や「⑥抑圧のない社会を実現するため、自主的に行動する段階」に進むためには、仲間が必要。
“特権”がある人には、責任がある より🔍
出口さん自身、自らの“特権”を感じた出来事がありました。幼少期に15年、大人になってから15年をアメリカで過ごしてきた出口さん。(略)
「日本に帰った瞬間、ドアがバンバン開かれた感じがしました。自分の意見を言っていると、リーダーシップがある人だと思われて、どんどんリーダーのポジションにつくんですよ。『あなたは私たちと同じ日本人だよね』って好意的だから、能力もそんなに証明しなくても大丈夫だという変な信頼がある。そのポジションに値する背景を全く持ってなくても、みんながガッと持ち上げてくれる感じです。『白人特権ってこういうことか!』と思いました」(略)
出口さんは、“特権”のある人は他者に支持されやすいからこそ、果たすべき責任があると考えています。
「アメリカでは、ペギー・マッキントッシュさんが『白人特権』を提唱して初めて、白人は白人の特権に向き合いましたが、実はそれ以前からずっと黒人は声をあげていました。でも、白人は白人の言うことしか聞かなかった。だから、“特権”を持つ側が声を出すことがすごく大事です。
社会を変える力を持つ上に、中立客観的にみられたり、好意的にみられたりするからこそ、その“特権”を使わない手はないでしょう。マジョリティーを教育するのは、“特権”に気づいたマジョリティー側の責任です」例えば、イベントの登壇者や企業の意思決定層において、マジョリティーの「男性」が自ら進んでジェンダーバランスを整えていくことや、自治体の審議会から子供会まで、決定権のあるポジションに日本人が外国籍のメンバーを推薦することなども、“特権”を活用して社会を変えることにつながります。
インタビューの最後に出口さんは、“特権”に向き合う大切さを説きながらも「自身のマイノリティー性に傷ついているときは、そのケアを優先することも忘れないで」と話しました。
~あなたは優位な立場かもしれない 気づきにくい“特権”とはより一部抜粋にて引用~
マジョリティー性もマイノリティー性も、固定しているものではありません。(略)いま、自分はどんな“特権”を持っているのだろう、6段階のどこにいて、前に進むにはどうしようか。「自分」に時々問いかけることが、誰かに対する言動を変え、差別のない瞬間を積み重ねることにつながっていきます。
日本育ちの心理職であるトアルの思うところも少しお伝えしたいと思います👍
「マジョリティー側の属性を持っていることで、労なくして得ることができる優位性」
この言葉に出会った時、衝撃を受けました。
そして、中野アナウンサーが実施していたチェック項目も私自身やってみました👇
(赤くなっている部分が、私自身に当てはまっているという意味合いとしています)
アイデンティティー | マジョリティー | マイノリティー |
人種 | 日本人 | 外国人、在日韓国・朝鮮人アイヌなど |
出生時にわりあてられた性 | 男性 | 女性、他 |
性的指向 | ヘテロセクシュアル | レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、アセクシュアルなど |
性自認 | シスジェンダー (身体と性自認が一致) | トランスジェンダー、エックスジェンダーなど |
学歴 | 高学歴→職種柄、大学院まで行ってます💦 | 低学歴 |
社会的階級 | 高所得 | 低所得→現在、扶養範囲内で仕事中ですので💦 |
身体・精神 | 健康→現状、医師より診断をもらっている病気はない感じです💦 | 病気、障害をかかえる |
住居地域 | 大都市圏在住 | 地方在住→転勤族のため、また大都市圏に移住予定もあります💦 |
上記の8つの項目のうち、マジョリティーが5つ、マイノリティーが3つという結果になったのですが…あと数年で可能性としてマイノリティーが1つ(女性)となり、マジョリティーが7つになるかもしれません。
娘が成長するにつれ、心理職という専門職して仕事量を増やしていく予定であることや、伴侶の大都市圏への転勤可能性もあるためという理由があるのですが…こうして私自身の特権を整理して眺めてみると、「本当に自分は恵まれた環境に身をおいているのだなぁ…」と実感してしまいました。
ちなみに、記事内にて紹介されていた以下のチェック項目もやってみました👇
☑引っ越す場合、自分に手が届き、住みたいと思う地域に、住宅を借りたり買ったりできます。
☑ほとんどの場合、ひとりで買い物に行くことができ、後を追いかけてこられたり嫌がらせされたりはしないと思えます。☞娘以外には追いかけられないという意味で💦
☑TVをつけたり新聞の一面を見たりすると、私と同じ人種の人が大々的に出ています。
☑自分の人種のすべての人々を代表して話すようにと言われることは決してありません。
☑警察官に呼び止められたり、国税庁に納税申告書を監査されたりするとき、それは自分の人種のせいではないかと感じることはありません。
☑私は、自分の人種が描かれたポスターやハガキ、絵本、グリーティングカード、人形、おもちゃ、子ども向け雑誌を簡単に買うことができます。
(『白人特権―みえないナップサックを開けてみる』(ペギー・マッキントッシュ、1987)より抜粋)
見事に、全部当てはまっていました👀!!!
ものすごく特権を持っているのだなぁ…という実感に磨きがかかってしまいました💦
そして、今まで無自覚だった特権に気付いた時、私自身がこれまで抱えていたモヤモヤが少し解消しているような気がしました。
というのも、私がこのブログ運営を始めるに至った思いの中に、「ブログを通じ、同じ経験や悩みを感じている親や子育て支援の人たちと出会えるかもしれない」「ブログは情報発信の一つの方法ではあるが、やがては娘の将来へ何かしらの形でプラスになるような支援へと展開していくきっかけになるかもしれない」といったものがありました。
ふと、ここで出口さんが記事の中で取り上げてくれている、差別に触れたときのマジョリティーの心理は6段階で推移するという内容と子育てブログ運営をしている親であり心理職である私自身の現状を照らして考えた時、私は今、「④マイノリティーのことを知ろうと、一歩を踏み出す段階」と「⑤自身を見つめ直し、現状を知ることに没頭する」の狭間を行き来しているのかもしれないと思いました。
『同じような段階にいる人と連帯して、本音で語り合える仲間をつくることが大切です。ここは、集団でないと乗り切れないと言われています』と出口さんも述べている通りに、私自身も専門職として、そして障害児育児をする親として、ブログ経由やその後出会えた『本音で語り合える仲間』と集団でさらに次の段階に進みたいのかもしれません。
まとめ
今回は、『あなたは優位な立場かもしれない 気づきにくい“特権”とは』という記事をご紹介いたしました。
マジョリティーであるという、そのことによってあまりに当たり前にそこに存在している『特権』について気づくのが遅れてしまうという事実を記事から学び、自身の特権に無自覚であることへの危機感を非常に感じさせてもらえたなぁ…と、個人的にはかなり(良い意味で)の衝撃的記事でもありました。
差別はいけないと思い口にすることはあるでしょう。
しかしながら、そこからもう一歩、それ以上に思考を深めていくことで…そこに広がる気づきは、私たち自身のさらなる成長を促してくれるもののようにも感じます。(とはいっても、相当な茨道でもありそうですが💦💦)
などなど…
☞障害の有無関係なく、ひとりひとり個性をもった子ども達を育てている親御さんにとって、『毎日大変だけど…子育てって、楽しいこともあったりするな』、『私たち頑張ってるよね~』、と思える体験をこのブログを読むことで、少しでもよいのでしてもらえたら嬉しいですね***
ではでは、またお会いしましょう〜!
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