こんにちは、みなさま。
臨床心理士と公認心理師をやっております、『トアルしんりし』と申します。
現在、婚活で出会った会社員の伴侶と発達障害(自閉スペクトラム症と中度知的障害)もちの4歳・娘と3人で暮らしています。
☞このブログでは…トアルしんりしが子育て中に自然に感じること、考えることの内容が、もしかしたら、この世界のどこかで過ごす人にとって〈新たな視点〉となって、何かしらお役に立つこともあるかもしれないと思って運営しております!
今回は、『こんな質問をよくうけますシリーズ』の第6弾です。
☞ちなみに、このシリーズの過去記事(第5弾)はこちら↓
👆気になった方はお時間の許す限りで結構ですので、読んでいただけますと幸いです♪
こんな質問をよくいただきます~メンタルケアについて~
「心理士(師)さんって、気持ちが落ちた時とかってどうしてるんですか?」
よくこのご質問いただきますね。リアルの職場でも、友人・知人にも🙂
☞以前もお伝えした内容になってしまうかもしれませんが・・・(プライベートの関係であれば答えられるのですが)基本的に相談の場では、心理職側があまり自分のことは話さないのがマナーだったりします。そのため、相談者さんにお伝え出来ないことが多いです💦
☞リアルの職場ではなかなか語れないのですが、トアルしんりしとしてブログを書いている身なので、”じゃあ、『この場で』だったらその辺りのプライベートなことを語れるな”と考えたので、今回はそのご質問にお答えしたいと思います。
私のメンタルケアについて考える~専門職としてやっていること~
他の心理職の方はどうかは不明ですが、私の場合は仕事に関しての悩みは『仕事や仕事関係の中で消化(または昇華※)するタイプ』であるため、以下のようなサポートや場所を使ってメンタルケアをしています。
※昇華:攻撃衝動や性的欲求などを、芸術やスポーツなど社会により受け入れられやすいかたちで満たすこと(看護学生のための心理学第2版 長田久雄(編) より一部抜粋にて引用)
スーパービ(ヴィ)ジョンについて
『スーパービジョンって何?』って思われる方、
多いかと思います💦ご説明させていただきますね~
相談関係を良好に保ち、クライエントの望むような変化が得られるためには、相談の経過を第三者に報告して、心理相談の過程を客観化することが重要となってくる。これを継続的に一定期間行うのがスーパービジョンであり、カウンセラーの成長のための教育的機能が中心となる(鑪 ,1998)
~看護学生のための心理学第2版 長田久雄(編) より一部抜粋にて引用~
☞精神科ポケット辞典によると、スーパービ(ヴィ)ジョンはこのように記載されています↓
精神療法を教育するシステムの一つ。監督教育者(super-visor)と被教育者(supervisee)が構造を定めて、定期的、継続的に精神療法の臨床について訓練を受けるやり方である。
~精神科ポケット辞典〔新訂版〕より一部抜粋にて引用~
- 一定のグループで行うグループ・スーパービ(ヴィ)ジョン
- スーパーバイザーのいないピア・スーパービ(ヴィ)ジョン
というのもあります。
☞ちなみに、ざっくりとですが・・・スーパーバイザーが教える側で、バイジーが教わる側という理解でいていただけると有難いです。
<私の場合>スーパービ(ヴィ)ジョンでこんな風にメンタルケアしています
グループでのスーパービジョンは学生時代に主にやっていましたが、社会人になってからは、1対1の対面での個別でのスーパービジョンを受けていました。
個別のスーパービジョンの場では、私はスーパーバイザーに主にこんなことを聞いていました↓
『今、困っている事例があるのですが・・・どうすれば良いですか?』
『こういう風に理解して行動したのですが・・・どう思われますか?』
『私自身の性格として、こんな感じになってしまうのかと思うのですが・・・どうお考えですか?』
等といったものがありました。
👆そういった上記の私の悩みに対して、スーパーバイザーの先生はピンポイントで答えてくださったり、解決のヒントになることを教えてくださった上で、更に包み込むように温かいお言葉をくれたりしました。
もう、これだけで『先生が私の気持ちを分かってくださった。嬉しい。有難い』と、私は相当癒されていました😭
ピアカウンセリングについて
『ピアカウンセリングって何?』と思われる方も、
多いですよね💦こちらでご説明いたします!
こちらのサイトでこのように詳しく述べられていたので、ご紹介させていただきます↓
ピアという言葉が“仲間”という意味を表すピアカウンセリング。1970年代にアメリカで始まった「自立生活運動(障身者同士が支え合い、隔離されることなく平等な社会参加を目指す活動)」の中でスタートしました。
同じような体験や経験をしてきた当事者が、同じ立場でサポートすることであり、ピアカウンセリングには「当事者こそが1番の理解者である」という基本概念があります。
ピアカウンセリングが誕生した当時に比べ、現在は障害福祉分野だけでなく、実際に子育てを経験している親同士が行う子育てピアカウンセリング、自身がアルコール依存で苦しむ経験を持つ人による断酒セラピー、近年はコロナウイルスの影響で、思うように学生生活が送れない苦しむ学生を学生自身が支える活動(ピア・サポート)なども行われています。
~ソクラテスのたまご ピアカウンセリングとは?やり方を専門家が解説。子育てに悩んだ経験が活きるピアカウンセラーへ~
☞経験を共にする仲間同士、グループでお互いの悩みをシェアするといった意味合いで私は今回、この言葉を出しています!
<私の場合>ピアカウンセリングでこんな風にメンタルケアしています
私は仕事での困りごとや気落ちした気持ちを、心理職として苦楽を共にしてきた大学院の同期につぶやいたり、相談することがあります。
有難いことに定期的にグループでオンライントークを行うため、各自が抱えている悩みもその場で出してシェアしています。
お互いが同職種(心理職)であるため、理解できる&経験したことがある事柄が多く・・・ただのおしゃべりの場であっても、いつの間にかピアカウンセリングの機能がその場で働いている様に感じます。
話し終わった後に、「ああ~~~スッキリした!みんな、今日は色々と聴いてくれて有難う!!」と、感謝の気持ちを毎回感じられるのは嬉しいですね✨✨✨
事例検討会や研修会、セミナーなど
心理職やその他専門職の学会などのような不特定多数の場で事例について話す事例検討会、専門職の集まる研修会やセミナーなどに参加することが多いです。
☞ちなみに、事例性について精神科ポケット辞典では、この様に説明されています↓
事例性
なぜ、誰によって、いつ、どこで問題とされたか、という視点から精神障害を捉えていく社会精神医学上の概念のこと。
~精神科ポケット辞典〔新訂版〕より一部抜粋にて引用~
<私の場合>事例検討会や研修会、セミナーなどでこんな風にメンタルケアしています
事例検討会や研修会、セミナーに参加することで、私は仕事で抱える悩みを解決する何らかのヒントをいただいたり、同じ悩みの参加者に共感することで自身の気持ちをほぐしていくことに努めていたりもします。
☞最近では、顔見知りの心理職対象の事例検討会(定期開催)に参加しています。
そこで困っている問題を相談し、自身の気持ちの解消も含め問題解決へと動いています。
子育ての中で出来るメンタルケアを考える
子育ての悩みについては、ピアカウンセリングのように、同じ悩みを共有できる仲間同士で話をする機会があることで、メンタルケアができるのではないか?と考えています。
障害児育児に関しては、なかなか身近に同じ悩みを抱える人が少ないということであれば・・・発達障害などのオンラインの研修会やセミナーに参加してみることで、そこから当事者同士のつながりを作っていくきっかけが出来るかもしれません。
さらには、今ではSNSで同じ悩みを抱える人を見つけることが昔より簡単にできる様になってきているので、上手にツールを使うことでピアカウンセリングの様な効果を発揮した繋がりを作ることが出来ると思われます。
まとめ
今回は、『こんな質問をよくうけますシリーズ』の第6弾ということで、心理職として仕事の中で気持ちが落ちた時や落ちそうになった時などにどのようなメンタルケアをしているのかをご紹介させていただきました。
この回は、仕事で生じた気持ちの落ち込みを仕事関係の中で消化していくスタイルでのメンタルケア方法を述べていきました。
その中でも、ピアカウンセリングの方法は、子育てにおける悩みの解消方法に応用できるものかと思います。
そのため、もし身近にそういった機会に恵まれている方がいれば、オンライン・対面問わず、まずはお試しに1回でも子育ての集まりに参加してみてはいかがでしょうか?
☞記事を作成するに際して参考にしたサイトや書籍は、以下のとおりです。
- https://soctama.jp/column/72087#i(ソクラテスのたまご ピアカウンセリングとは?やり方を専門家が解説。子育てに悩んだ経験が活きるピアカウンセラーへ)
- 看護学生のための心理学第2版 長田久雄(編) 医学書院 2022年
- 精神科ポケット辞典〔新訂版〕加藤正明ら(監)飯森眞喜雄ら(編)弘文堂 2006年
- 同じ子育て時間、折角過ごすならストレスレスでいたい!
- 子育てを通して、親である自分も成長できたらなと思う
- なかなか解決できない問題って子育てにはあるよね?
- みんなはどうやってストレス発散してるの?
- みんなは自分と同じことで悩んだりするのだろうか?
などなど・・・
☞障害の有無関係なく、ひとりひとり個性をもった子ども達を育てている親御さんにとって、『毎日大変だけど…子育てって、楽しいこともあったりするな』、『私たち頑張ってるよね~』、と思える体験をこのブログを読むことで、少しでもよいのでしてもらえたら嬉しいですね***
ではでは、またお会いしましょう~!
感想など送ろうかなと、もしいっらしゃる方がいれば
☞(コメント機能の代わりに)お問合せフォームをご利用ください
Follow @StigmaX1
☟購入したりしておススメの作品を中心に置いています
ブロトピ:今日の育児日記